展覧会によせて
「作品をつくること」
石を彫る。削る。磨く。この塊を消失させていく行為の中から、いつも作品は表出してくる。
彫る・削る、これは道具を使って進めていくので、視覚が頼りとなる。
磨くことは、道具と同時に手触りで進めていくので、視覚より触覚が頼りになる。
感覚のなかで触覚は、原始的機能を持った本能的な感覚だと言われている。
そんな触覚を頼りに、作品の最終的な形は決まっていく。
面はかすかな抵抗と滑らかな起伏を持ち、2つの対峙する面のせめぎ合いによって稜線は生まれる。
揺らぎ・ねじれ・穏やかに繋がる稜線。蠢きをかすかに感じ、静かに存在する量塊。
そんな触覚的なモノを作ってみたいと思っています。
「なのりそ(DM作品)」
「なのりそ」とは海藻(ホンダワラ)の古い呼び方です。
どこにでもある海藻なのですが、万葉の恋物語から
「なのりそ〈告げてはいけない〉」という意味が付いたようです。
揺らぎ、漂うかたちを、石の中に表現出来たらと思っています。
「なのりそ#9」
H255×230×120mm
大理石
2013年
「泉#7」
H160×370×340mm
大理石
2020年
「螺#4」
約H400×300×160mm
大理石
2020年
略歴 | |
1960年 | 東京都出身 |
1985年 | 東京 | 術大学美術学部彫刻科卒業
1987年 | 東京 | 術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了
個展 | |
1986年 | 小野画廊/東京 |
1987年 | ギャラリーなつか/東京(1994/1996/1999/2001/2005/2008/2011) |
1995年 | なびす画廊/東京 |
1997年 | ギャラリーエル・ポエタ/埼玉 |
2000年 | ギャラリー田中/東京(2002) |
Gallery深志/長野 | |
2002年 | スージ・カード&ギャラリー/神奈川 |
ぎゃらりー801/千葉(2013) | |
2003年 | クラインブルー/東京(2007/2012) |
2005年 | コバヤシ画廊/東京 |
2012年 | 日本橋高島屋/東京 |
2014年 | クラインブルー/東京 |
2017年 | 美の舎/東京 |
2018年 | 川越市立美術館/埼玉 |
2019年 | 美書肆 人魚の嘆き/神奈川 |
グループ展 | |
1986年 | 「MOSTRA di opere in peitra」 東京 | 術大学学生会館/東京
1988年 | 「彫刻四人組それぞれの石」 ギャラリータカノ/東京 |
「あまくないおやつ」 淡路町画廊/東京(1993/2001) | |
1989年 | 「SMALL SIZE COLLECTION」 ギャラリーなつか/東京(1994/1997/1998) |
「現代彫刻展イン穂高」 穂高町民会館/長野 | |
「PARTY4」 浜松町東芝ビル/東京 | |
「新・造形展」 イムズ/福岡 ニッケコルトンプラザ/千葉 | |
1992年 | 「大町野外美術展」 大町市中山高原/長野 |
1994年 | 「<彫刻>展」 代々木アートギャラリー/東京 |
1998年 | 「FROM TIME TO TIME」 トキ・アートスペース/東京 |
1999年 | 「アーティストの周縁」 トキ・アートスペース/東京 |
2001年 | 「越境する女たち21」 ヒルサイドフォーラム/東京 |
2002年 | 「HARVEST展」 Gallery深志/長野 |
2003年 | 「招福展」 ギャラリー澄光/東京 |
「春待月に・・・」 スージ・アンティックギャラリー/神奈川 | |
2006年 | 「MESSAGE 2006」 コバヤシ画廊/東京(2007より毎年参加) |
2007年 | 「Kako je bilo u Srbiji ? 」 トキ・アートスペース ・現代HEIGHTS Gallery Den/東京 |
2008年 | 「ひいなのえにし」 はしまや/岡山 |
2009年 | 「米子彫刻シンポジウム作品展」 米子高島屋/鳥取 |
「YEAR END EXHIBITION of MINI・SCULPTURES 2009」 ギャラリーせいほう/東京(2010より毎年参加) | |
2010年 | 「大理石アートフェスタ in 秋芳洞」 秋芳洞観光センター/山口 |
2012年 | 「Female times –女性美術家たちの今、これから-」 Bunkamura Box Gallery/東京 |
2013年 | 「彫刻家からの贈り物」展Ⅲ Bunkamura Box Gallery/東京 |
「YY Today」展 YYギャラリー/東京 | |
「米子彫刻シンポジウム作品展」 米子高島屋/鳥取(2019) | |
2015年 | 「-しずけさのなかで- 斉藤和子・林明日美展」 コート・ギャラリー国立/東京 |
2017年 | 「内田真理・斉藤和子展」 夏庭/千葉 |
2020年 | 〈石の彫刻〉展 いりや画廊/東京 |
シンポジウム | |
1998年 | 「ロックハート展」 大理石村ロックハート城/群馬 |
2004年 | 「米子彫刻シンポジウム」 米子市湊山公園/鳥取 |
ワークショップ | |
2003年 | 「シルバーオブジェ」 横浜美術館 市民のアトリエ/神奈川 |
プロジェクト | |
2013年 | 陸前高田「未来への記憶」プロジェクト 五百羅漢制作 陸前高田 普門寺/岩手(2014) |
作品設置およびコレクション | |
姫沼アートランド(福島)/ホテル山海館(茨城)/なだ万賓館(東京)/アルファ(東京)/センチュリーハイアット東京(東京)/グランドハイアット福岡(福岡)/ロックハート城(群馬)/ハイアットリージェンシーオオサカ(大阪)/資生堂ホロニックスタジアム(東京)/パークハイム山手の杜(神奈川)/観音寺(東京)/立正大学 地球環境科学部 実験研究棟(埼玉)/米子市湊山公園(鳥取)/コンラッド東京(東京)/トヨタショールーム(愛知)/デュープレックス銀座タワーⅡ(東京)/東京ミッドタウン(東京)/アデニウム熱海グランドタワー(静岡)/極楽寺(東京)/パークコート麻布十番(東京)/その他ホテル・マンション・個人邸などに設置およびコレクション | |
その他 | |
・ストーンテリアvol.36(エス出版部)1994.7出版 ・婦人画報No.1136(婦人画報社)1998.3出版 ・パルファムNo.113(パルファム)2000.3出版 ・HYATT TASTE NOV. & DEC.2000(センチュリーハイアット)2000.11発行 ・HYATT TASTE MAR.2001(センチュリーハイアット)2001.3発行 ・2004米子シンポジウム(米子シンポジウム実行委員会)2005.1出版 ・現代のアート①(朝日アート出版)2006.7出版 ・米子シンポジウム1988-2006(米子シンポジウム実行委員会)2007.2出版 ・フィオーリキアーリブランド フラワーベースデザイン(株式会社 高田製作所)2007.5 ・東京ミッドタウンのアートとデザイン(東京書籍)2007.8出版 |
メトロ銀座ギャラリー出展中
(期間2020年10/16~2021年2月中旬までで3回展示